感覚統合の功罪

総合整体FUJIの藤原です。

 

今日のテーマは   感覚統合の功罪

 

よく療育を担当される作業療法士の方が感覚統合的なリハビリを提供されているのを目にします。

 

そういった専門家の方が行われる講座で、子供に色々な感覚を入れてあげましょう。

 

というアドバイスを保護者さんへされることが多いようです。

 

これは極々正解で当たり前のことであり、非常に大事なことです。

 

しかし、例外があります。

 

原始反射の残存程度が強く、感覚過敏傾向のお子さんにはこのアドバイスが逆効果になります。

 

なぜか??

 

原始反射が強く残っているということは、感覚刺激が入るとかえって脳にストレスとなります。

 

脳自体が感覚に対して過剰反応しているわけなので、足裏をスポンジでゴシゴシしたりすると余計に脳がびっくりして成長どころではなくなってしまうのです。

 

大きな音がストレスなのに、更に大きな音を聞かせて脳を強くしようとは誰も考えないと思いますが、

なぜか触覚なら感覚を入れれば入れるほど良いと勘違い?している専門家が一定数いるのが現実です。

 

要は、きちんと身体を触って包括的にその子の状態を評価できるセラピストが少なすぎるのです。

 

そのため感覚過敏のお子さんに、過剰な感覚を入れすぎてかえって感覚過敏が悪化したというケースがあるのが事実です。

 

保護者さんは専門家のアドバイスを疑うこと無く聞き入れるので、一生懸命してくれるのです。

そのため安易なアドバイスが逆効果になるということも専門家はきちんと理解して、その子の個別性を評価・判断してアドバイスをしないといけません。

 

そのためには脳の評価もできないといけないし、呼吸・頭蓋骨・お腹・経絡の乱れなども評価できないと感覚統合一本だけでは不十分なのです。

 

では、保護者さんはどのように専門家からのアドバイスを吟味すれば良いのでしょうか?

 

まずはどんなアドバイスでも

嫌がってたり、拒否反応を示すようならやり方を変えることが一番

アドバイスをそっくりそのまま当てはめないこと。

 

当たり前ですが十人十色なので、Aさんに良かったことがBさんにも必ず良いということは絶対にないです。

 

次に

感覚をいれまくれば全て上手くいくという幻想を捨てること。

 

何事も適量というものがあります。

たわしの刺激を耐えれる?人もいれば、スポンジですら耐えれない人もいるのと同じで適刺激・適量は人によって全然違います。

対応できる刺激を脳に入力して、慣れさせていくということが大事。

 

感覚刺激とは言い換えると全てストレスと言い換えれます。

ストレスという言葉は、元々「外からかかる力による物質の歪み」ということを意味します。

「外からかかる力」に着目すると、五感から感じることは全て「外からかかる力」と言い換えれます。

 

要は、ストレスです。

 

今、このブログを読んでることも視覚刺激という「外からかかる力・ストレス」を上手く脳が処理してくれているのです。

 

文章が長くなれば長くなるほど、外からかかる力が積み重なってきて脳の疲労が生じてきます。

つまり、どんな感覚刺激もストレスなので、それを許容できるキャパを超えたら誰にとっても「ストレス」なのです。

 

感覚過敏の方は

そのキャパが小さいので、私達がストレスとすら思っていないようなちょっとした感覚刺激でも上手く処理ができないので、すぐに脳がストレスで疲れてしまいます。

 

処理できる範囲の感覚刺激で脳を鍛えることが大事なので、

感覚さえ入れておけば大丈夫!という考えは時として暴力になってしまうのです。

 

たくさん人がいる・色々な音が聞こえる・気候が変わる・・・たったそれだけの感覚刺激というストレスに耐用できない人に、たわしでゴシゴシしましょう!といっても脳が対応できるわけないのです。

 

なぜたったそれだけの感覚刺激という名のストレスに対応できないのか?

 

それは先程も少しお伝えした原始反射の残存具合が強すぎるからです。

 

原始反射の残存が強い→脳がバグ→感覚刺激を脳が上手く処理できない→ストレス対応困難→ストレス順応ができない

ストレス対策への学習が出来ない

 

というループができてしまい

 

普通のストレス(思い通りにならないこと・嫌なこと)にも耐える余裕がないという状態になってしまいます。

 

こういった感覚過敏タイプのお子さんには、まずは耐用可能な小さな音・少し触られる・ちょっとした眩しさなど、一般的な感覚統合の訓練からすると物足りないくらいの刺激から始めるのが安全です。

 

感覚が不足しているのではなく

感覚刺激という名のストレス耐用能力が低いからなので、強い感覚をたくさん入れれば入れるほど、負担にしかならないのであります。

 

 

なんでもかんでも感覚統合となりがちなので、注意してお子さんの反応を観察しながら行うことが大事です。

 

 

NOTEでは、原始反射についてもう少し細かく書いた記事を載せています。

今月は緊張性迷路反射について

https://note.com/yuichirolfing/n/n7220ee2345b7

 

 

総合整体FUJIでは

原始反射統合アプローチ

ビジョン知育

といったお子さんの成長を促進する施術から

ロルフィングという

身体の不調を調える施術などを行っております。

注※原始反射統合施術とロルフィングは全くの別物です

 

外部リンク

京都嵯峨嵐山にある平成院(子供向け書道教室)